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プロパンガスと都市ガスの料金比較——差額を自分の使用量で出す式と地域別の早見表

プロパンガスと都市ガスの料金差は「基本料金の差+単価差×使用量」で計算できます。関東・月10m3なら差額は月約5,100円。地域別・使用量別の早見表と、賃貸と持ち家で打てる手の違いをまとめました。

結論:差額は足し算2つで出る

プロパンガス(LPガス)と都市ガスの料金は、どちらも「基本料金+単価×使用量」という同じ構造です。したがって差額も同じ形で出せます。

月の差額 = 基本料金の差 + (プロパンの単価 − 都市ガスの単価) × 使用量(m3)

計算ツールに実装された概算値では、基本料金がプロパン1,800円・都市ガス1,000円、関東の単価がプロパン600円/m3・都市ガス170円/m3です。2人世帯の目安である月10m3を入れると次のようになります。

  • 基本料金の差:1,800 − 1,000 = 800円
  • 単価差 × 使用量:(600 − 170) × 10 = 4,300円
  • 月の差額:5,100円

年間なら61,200円、10年住み続ければ612,000円の差です。同じ量のお湯を使って同じ生活をしていても、ガス種別だけでこの差が出ます。

項目プロパンガス都市ガス
基本料金(月)1,800円1,000円800円
単価(m3・関東)600円170円430円
月額(10m3)7,800円2,700円5,100円
年額93,600円32,400円61,200円

自分の地域・使用量・居住年数での差額は**プロパンvs都市ガス生涯コスト差計算機**で出せます。世帯人数・地域・月の使用量・比較期間を選ぶと、月額・年額・期間合計の差が表で表示されます。

地域別の単価と、月10m3使ったときの差額

プロパンの単価は配送距離や事業者の数に影響されるため、地域差が都市ガスより大きくなります。以下は計算ツールに実装された地域別の概算単価です。

地域プロパン単価都市ガス単価月の差額(10m3)年の差額
北海道700円200円5,800円69,600円
東北650円190円5,400円64,800円
関東600円170円5,100円61,200円
中部600円180円5,000円60,000円
関西580円175円4,850円58,200円
中国620円185円5,150円61,800円
四国600円180円5,000円60,000円
九州560円175円4,650円55,800円
沖縄650円200円5,300円63,600円

検算(北海道):800 + (700 − 200) × 10 = 5,800円。

最も高い北海道と最も安い九州の差は年間13,800円です。地域差はありますが、どの地域でもプロパンのほうが高いという関係は変わりません。単価が2〜3倍という開きは、地域を選んでも埋まらない構造的な差です。

使用量が増えるほど差は開く

差額の式のうち、使用量に比例するのは「単価差 × 使用量」の部分だけです。関東の単価差430円で計算すると、使用量ごとにこうなります。

月の使用量プロパン月額都市ガス月額差額(月)差額(年)
5m3(一人暮らし)4,800円1,850円2,950円35,400円
8m36,600円2,360円4,240円50,880円
10m3(2人世帯)7,800円2,700円5,100円61,200円
15m310,800円3,550円7,250円87,000円
20m3(4人世帯)13,800円4,400円9,400円112,800円

検算(20m3):800 + 430 × 20 = 9,400円。

一人暮らしで月2,950円、4人世帯なら月9,400円。世帯人数が増えるほどガス種別の影響は大きくなります。家族が増えるタイミングでの引っ越しは、ガス種別を確認する価値がとくに高い場面です。

なお使用量は冬に増えます。給湯の負荷が上がるためで、夏の1.5〜2倍になる家庭もあります。年間の差額を見積もるときは、夏場の明細1枚だけで判断せず、できれば12か月分を平均してください。

プロパンが高いのは料金の決まり方が違うから

プロパンガスの単価が高い理由は、主に3つです。

  • 料金設定が事業者ごとに自由:プロパンガスは事業者が価格を設定できるため、同じ地域・同じ使用量でも会社によって単価が違います。都市ガスのように公表された料金表と比べにくいのが実情です
  • 配送にコストがかかる:各戸にボンベを運ぶ物流費が単価に乗ります。導管で供給する都市ガスにはこの費用がありません
  • 切り替えの競争が働きにくい:とくに賃貸では入居者がガス会社を選べないため、価格競争の圧力がかかりにくい構造になっています

この3点目が重要です。プロパンが高いこと自体より、「高いまま気づかれない」構造のほうが金額に効きます。同じ地域でも会社によって月数千円違うことがあるため、まず自分の単価を知ることが出発点になります。

打てる手は「賃貸か持ち家か」で変わる

差額が分かっても、実行できる対策は住まいの形態で変わります。

持ち家・戸建ての場合

  1. 単価を明細で確認する:検針票の「基本料金」と「1m3あたりの単価」を見ます。単価が地域の相場より高ければ交渉の材料になります
  2. 他社の見積もりを取る:プロパンは会社変更が可能です。設備の所有関係(ボンベ・調整器・配管が誰のものか)を先に確認してください
  3. 都市ガスの導管が来ているか調べる:都市ガスは導管が敷設された地域でしか使えません。自宅の前を通っていれば引き込みを検討できますが、工事費がかかるため回収年数の計算が必要です

賃貸の場合

  1. 原則としてガス会社は変更できません。物件ごとに契約されているためです
  2. できるのは使用量を下げることと、次の引っ越しでガス種別を条件に入れることの2つです
  3. 内見時に「ガスは都市ガスかプロパンか」を必ず確認します。家賃が月3,000円安くてもプロパンで月5,000円高いなら、住居費の合計では負けます

電気・ガス・水道・通信をまとめて相場と比べたい場合は**光熱費・通信費の最適化診断**が使えます。世帯人数と各費目の月額を入れると、費目ごとに相場より高いか安いかが判定されます。

使用量を下げる打ち手

ガス会社を変えられない場合、効くのは給湯の使い方です。ガス使用量の大半は給湯で発生します。

  • シャワー時間を1分短くする:一般的なシャワーの流量は約10L/分。家族3人が毎日1分短縮すると月約900Lの湯が減ります
  • 追い焚きを減らす:間隔を空けて入浴すると追い焚き回数が増えます。連続して入るだけで使用量が下がります
  • 食器洗いの湯温を下げる:設定温度を数度下げるだけでも加温分のガスが減ります
  • お風呂とシャワーの使い分け:人数と1人あたりのシャワー時間によって、どちらが安いかは逆転します

この記事の前提と、当てはまらないケース

  • 単価・基本料金はいずれも計算ツールに実装された地域別の概算平均値です。プロパンは事業者ごとに料金が異なるため、実際の単価は必ず自分の検針票で確認してください
  • 都市ガスも事業者・プランによって料金が異なります。上の表は地域の代表的な水準を置いた概算です
  • 使用量は季節で大きく変動します。年間差額は12か月分の平均使用量で計算するのが正確です
  • 賃貸物件では、設備費用が料金に含まれている場合があります。料金の内訳が不明なときは管理会社またはガス会社に開示を求めてください。制度面の最新の扱いは資源エネルギー庁の案内で確認できます
  • オール電化への切り替えは設備の導入費用が発生するため、この記事の比較(ガス料金のみ)には含めていません
  • 都市ガスとプロパンでは器具の互換性がありません。ガス種別が変わる引っ越しでは、コンロ・給湯器の対応を確認する必要があります

まずは検針票を1枚手元に出して、基本料金と単価を確認してください。数字が分かれば**プロパンvs都市ガス生涯コスト差計算機**で、いま住んでいる家に何年住むといくらの差になるかが出せます。